理科準備室が恋しい。潤沢にあった科学材料の数々…。
現在私は公立中学校教員を辞めて、通信制高校で勤務しています。
不登校、発達障害、ギフテッド…生きづらさ、育てづらさを感じている生徒・保護者に寄り添いたく転職を決意しました。
通信制やメタバースでの学びはどうしても実体験に欠けるところがあります。
おうちで用意できる100均のアイテムを使用した実験を配信していきたいと思います。
おうち実験はもちろん、小学生の夏の自由研究~現場で働く先生の教材研究まで、幅広い層に届けられる内容を目指します!
○関連分野
学んでから実験をするもよし、実験してから学んでもよし、です!
【 エネルギーと仕事 】
○必要な材料
・組み立てて学ぶ ニュートンのゆりかご
ダイソーで購入しました。300円!工作とか実験っぽいコーナーにぶら下がっていました。
材料を用意しなくて良いという意味では最強です。
数件ダイソーをはしごしましたが、これが一番人気なのか、意外と取り扱っている店舗が少なかったです。
○実験の手順
①材料を確認する。
※取り外ししやすいパーツですが、
カッターやヤスリがあるとよりきれいに
仕上がります。
※木工用ボンド必須です。

②組み立てる。
※説明書がついているので安心!
※球を微妙に離すことがコツです。
※ギッチリつけてはいけません。
※微妙に離すのです。

③体感する。
※参考動画をXにアップしています。
○解説、応用実験など
あの”ニュートンのゆりかご”が簡単に作れる!?
とワクワクして作ってみましたが、動画の通り…
精度を高く作るためには工夫が必要です。私はモノづくりにそれなりの自信を持っていましたが、見事に打ち砕かれました笑
エネルギー変換を学ぶにしては、少し物足りない精度になってしまいました。
おそらく原因は、球同士の距離の取り方と重心の揃え方です…
一方で、科学インテリアとしては最高です!窓から差し込む光が、透明の球体を経て…なかなか美しいですよ。
小学生向けの解説
片方の球を持ち上げるとき、あなたのエネルギーが球に渡されます。
エネルギーをもらった球が動き、他の球にぶつかります。ぶつかるたびにエネルギーがリレーのバトンのように、次の球へと伝わっていきます。
一番端の球はぶつかる相手がいないわけですから、飛んでいきます。
そしてまた戻り…のくりかえしですね。
中学生向けの解説
一番最初持ち上げるときに、位置エネルギーが上昇します。手を離すと、その位置エネルギーが運動エネルギーへと変換される中で、球の速さが増えていきます。
最下部で最高値になった運動エネルギーが他の球にも受け渡されていきます。反対側の先端の球がまたもち上がるわけですが、「エネルギー保存の法則」が働いているため、本来であればもともとの高さまで球はもち上がるはずです。
実際はぶつかったときの音エネルギーや、結びついている紐との間に発生する熱エネルギー等としてエネルギーが消費されてしまうため、永久機関のように動き続けることはありません。
高校生以上向けの解説
弾性衝突におけるエネルギーと運動量の保存法則を視覚的に示しています。理想的な状態では、運動する玉が持つ運動エネルギーと運動量が、完全に隣の玉に伝達され、エネルギー損失はありません。玉が連続する衝突を経るとき、各衝突でエネルギーがわずかに減少することから、現実のシステムでは摩擦や空気抵抗によるエネルギー損失が加わりますが、ニュートンのゆりかごではそれを最小限に抑える設計になっています。
今回のキットでは素材の問題や、作り手の精度の問題でエネルギー損失がかなり大きいということが容易に想像できますね。
応用実験
エネルギーが保存されていることを可視化してくれるこのアイテム。最初のエネルギーの与え方で、様々な動き方をしてくれます。
例えば…
・2個持ち上げてスタート
・半数以上を持ち上げてスタート
・両端の1個をどちらも持ち上げてスタート
このときの動きは、物理の神秘的な世界を見せてくれます。是非やってみてください。
○【PR】実験材料など
「100均で揃う道具」をモットーに取り組んでいますが、お近くで見つけられない場合は通販もオススメです。
材料を一緒に探すところからお子さんとワクワクしていただきたいですが、そこまでの時間を取ることができない方もいらっしゃると思うので…。
☆ニュートンのゆりかご 組み立てキット
少々割高ですが、ダイソーのキットより精度を高く保ちやすいつくりになっています。クーポンやダブルポイントの対象になっているようなこともあるのでオススメです。
☆ニュートンのゆりかご 金属フレーム
完全にインテリア!って感じで、金属フレームでつくられているものです。キットよりはるかに精度がよいので、様々な応用実験を楽しむことができます。
○まとめ
精度が高いと、エネルギーロスが少なくなるので、ずーと「カチカチカチ」と動いてくれるのですが…
正直難しいところはありますね。
「作って楽し~キレイ~、ちょっとだけエネルギー保存の法則に目を向けよう」なのか
「エネルギー保存がどのような条件で成り立ち、球の挙動がどうなるか解き明かしたい」なのか…
探究したい、経験したい目標によって、取り組み方が異なるものでした~。