理科準備室が恋しい。潤沢にあった科学材料の数々…。
現在私は公立中学校教員を辞めて、通信制高校で勤務しています。
不登校、発達障害、ギフテッド…生きづらさ、育てづらさを感じている生徒・保護者に寄り添いたく転職を決意しました。
通信制やメタバースでの学びはどうしても実体験に欠けるところがあります。
おうちで用意できる100均のアイテムを使用した実験を配信していきたいと思います。
おうち実験はもちろん、小学生の夏の自由研究~現場で働く先生の教材研究まで、幅広い層に届けられる内容を目指します!
○関連分野
学んでから実験をするもよし、実験してから学んでもよし、です!
【 天気 】
○必要な材料
・組み立てて学ぶ 風見鶏
ダイソーで購入しました。200円!工作とか実験っぽいコーナーにぶら下がっていました。
材料を用意しなくて良いという意味では最強です。
○実験の手順
①材料を確認する。
※取り外ししやすいパーツですが、
カッターやヤスリがあるとよりきれいに
仕上がります。
②組み立てる。
※説明書がついているので安心!
※留め具(オレンジ色の小さいパーツ)は
少し余裕をもたせると回転しやすい印象です。
③体感する。
※参考動画をXにアップしています。
※私は扇風機で実践しました。
○解説、応用実験など
手順さぼっているわけではなく、本当に簡単に作れました。
出来上がったもので風向について学びを深めることができますが、そのあとは科学インテリアとして部屋を彩ってくれています。素敵。
風見鶏や風向って、普段そこまで深く考える機会はないと思うので、そのあたりを深掘りしてみました。
手順が簡単な分、解説に力を入れていきますよ~!
小学生向けの解説
風見鶏(かざみどり)は風が吹いてくる方向を教えてくれる道具です。鶏が向いている方向から風が吹いてくることを示しています。風の流れと鳥が向く方向について起きている現象は飛行機やロケットが飛ぶときに起きている現象と同じで、「風見安定の効果」というしくみがはたらいています。
中学生向けの解説
風向っていつも迷いますよね。「風が吹いてくる方向」が風向です。
動画で言うと、北西から風が吹いてきているので、風向は同じく北西になります。
高校生以上向けの解説
風見鶏では、重心が中央やや前方にあり、尾部が広く作られているため、風が吹くと尾部が風下側へ押され、自然と鶏の頭が風上に向くようになります。このとき、空気からの力を受ける中心部(空力中心)が、重心より後ろにあります。風の流れに対して素早く向きを調整することで、風向きの変化を視覚的に示すことができます。
飛行機やロケット、船舶などの設計においても、重心を機体前方に、垂直尾翼や水平尾翼を後方に配置します。
これにより、風や空気の流れで機体が傾いたとしても、自然と風の向きに揃え、進行方向を維持する安定効果が発生します。風見安定は乱気流や予期せぬ風向変化にも対応できるようにし、飛行を安全に保つための重要な要素です。
ちょっと脱線…
理科から少し脱線しますが、科学を語る上で、歴史や宗教も絡んでくるのよって話です。
風見鶏、なぜ鶏なの?と考えたことはないですか?矢印でも、指のマークでも、なんでもいいじゃない…と。
気になった方は読み進めてみてください。
イエス・キリストとその弟子ペテロのエピソード。
イエスといえば、最終的につかまって、磔にかけられてしまうイメージがあると思います。捕まる寸前のお話です。
弟子ペテロはイエスへの信仰が非常に篤いのですが、つかまる寸前のイエスによってとある予言をされます。
「今日、鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしを知らないと言います」と。
その日、イエスが捕まると、驚きと恐怖に支配されるものの、イエスを見捨てることができず、遠巻きに事の成り行きを見守っていました。その最中、市井の人々から「この人もイエスの仲間だ」という指摘を3回されるのですが、それぞれを否定します。「私はイエスを知らない」と。
3度目の否定をし終えたとたんに鶏が鳴きます。まさしく予言の通りになり、ペテロは泣き崩れる。というエピソードがあります。
このことから、鶏は信仰を失ったことを悔い改める必要性と霊的な目覚めを象徴するようになりました。中世ヨーロッパでは、教会の塔や尖塔に風見鶏を設置することで、信者たちが神の教えを忘れないよう促すようになりました。
さらに、風見鶏が風を受けて動くことは、神の意志に従う柔軟な心を象徴するものともされました。
こんな意味があったんですねぇ…驚き!
○【PR】実験材料など
「100均で揃う道具」をモットーに取り組んでいますが、お近くで見つけられない場合は通販もオススメです。
材料を一緒に探すところからお子さんとワクワクしていただきたいですが、そこまでの時間を取ることができない方もいらっしゃると思うので…。
☆風見鶏 工作キット
これで完結するキットです。風力測定はダイソーのキットより良いですが、肝心の風向が矢印なので、ちょっとかわいさに欠けるところはありますね…。
ダイソーに行ってみて、在庫がなければ、まぁ仕方ない、これにするか…って感じです。
○まとめ
風向を観測する道具な風見鶏ですが、冷静に考えてみると、「なんで鶏は必ず風が吹いてくる方向を見るの?」「別に指差ししている人でもいいのに、なぜ鶏なの?」といった問いが生まれてくるものです。
日常に隠れた疑問を、簡単なキットで掘り起こしてくれるので、オススメです。